【投資家として】パンデミックの恐慌状態でも落ち着くための4つの方法


コロナウイルスの影響が世界に広がり、観光業や小売業を中心に影響が出ています。非常事態の中で投資家として落ち着いて行動するにはどうしたらよいのでしょうか?少し古い記事ですが和訳してみました。

The Globe and Mail 11. Mar. 2020より

新聞記事より和訳。
元記事がネット上で見つからなかったので和訳のみ掲載します。

Four ways to stay calm during pandemic panic

パンデミックの恐慌状態でも落ち着くための4つの方法

蔓延する不安にうまく対処した前例から学び、コロナウイルスが引き起こす市場の動揺を切り抜けよう

 パンデミックの恐ろしい話がソーシャルメディア上に蔓延し、株式市場がパニック状態から楽観へと大きく変化するような時、分別ある投資家としてはどのように振舞うべきだろうか?ここで役に立つ4つの考え方を紹介するので覚えておくといい。最新のニュースがどうにかしてあなたの感情を乱そうとしてくる時でも、正気を保つのに役立つだろう。

①パニックはあなたが思うよりありふれたもの 

 1997年10月27日に起きた市場の大暴落については、もちろん覚えているだろう?アジア金融危機の拡大に対するパニックのせいでダウ平均株価が7%も急落したのだ。そして恐らく覚えていないだろうが、実際には北米市場はすぐに回復した。 

 Saber Capital Management LLCを経営するジョン・ヒューバー氏によれば、このようなミニ・パニックは大抵の人が思っているよりもありふれたものなのだ。多くの市場が下落したという記憶はすぐ忘れ去られてしまう、とヒューバー氏は記している。 

 しぶとい市場の追随者達でさえ、1998年にヘッジファンドLong-Term Capitalが崩壊したことに伴う市場の急落について、よく考えなくては思い出せない。SARSの流行(2003年)フラッシュクラッシュ(2010年)、米国債上限問題(2011年)、利上げパニック(2018年後半)についても同様だ。 

 これらのミニ・パニックのうちいくつかでも覚えている人はほとんどいない。なぜならこれらは本格的な景気後退には発展しなかったからだ。現在の危機がどんな具合に発展していくかは誰にも分からない。しかし私たちはみんな深呼吸して、株式市場の悪い時期は必ずしも更に大きな経済的悲劇が起きる前兆ではないと自らに思い出させたほうがいい。 

②報道される様々な情報を予測する 

 コロナウイルスのアウトブレイクについては分かっていないことがたくさんある。投資家はそれらの不確実性に注意したほうがいい。しかしながら、最悪の事態だけ想定するという誘惑にも抵抗したほうがいい。 

 あなたの考えているかもしれないこととは逆に、コロナウイルスに関する良いニュースも増えてきている、とRBC Global Asset Managementのチーフ・エコノミスト、エリック・ラッセル氏は書いている。例えば中国では感染拡大が遅くなっているという進歩がはっきり見える。3月9日の報道では、14億人の国で新規感染はたった45人だった。公になっている全ての兆候から、このアジアの巨人は莫大な経済コストを費やしてウイルスのアウトブレイクをなんとかコントロールしようとしてきたことが分かる。 

 疑い深い人たちは中国が示す数字を信じていないが、似たような傾向が韓国でも明らかになっている。韓国でのアウトブレイクは「1日の新規感染者が800人を超えた時点でピークに達したが、今は1日当たり400人以下まで減少し着実に落ち着いてきている。」とラッセル氏は述べる。 

③長い目で見よう 

 公共集会の禁止、学校の閉鎖、オフィスの閉鎖と在宅勤務の流行は、全て北米におけるウイルスのアウトブレイクが原因だと言える。これらの手段は、もし制度化されれば、それらが続く限り経済的生産に穴をあけることになるだろう(恐らく1ヶ月かそのくらいまでだろうが)。しかしながら、これらは製造業やサービス業の長期的な実力に影響することはない。 

 国内総生産へのウイルスの長期的な影響は、北米においても全世界においても小さいだろう、とMorningstarの研究者であるカレン・アンダーソン氏とプレストン・コールドウェル氏は述べる。彼らはウイルスのアウトブレイクによって2020年の全世界における経済的生産の1.5%分の損害が出るが、アウトブレイクがコントロールできるようになればその後は年にたった0.2%で済むだろうと予測している。「生産能力への損害は小さいだろうし、加えてウイルスが落ち着けば景気はすぐに回復するはずだ。」と彼らは3月10日に発表したレポートで述べている。 

④分かりやすい正しい動きなどない 

 悲観論者にとって、ベイ・ストリートやウォール・ストリートの乱降下を経済危機の予兆としてみるのは容易いことだ。しかし2008年の経済危機と違って、現在の混乱は風変わりな金融商品がパンクした訳でも、金融市場の目立たない一角が軋みながら止まろうとしている訳でもない。 

 今日の混沌は明白で今まさに起きている危険に対するものだ。まだよく分かっていない苛烈な病気によって引き起こされた医療危機だが、恐らく限られた期間だけだろう。従って政策担当者や金融市場がこの問題に取り組むのは幾分か簡単なはずだ。 

 そして投資家にとっても予測を出すのは簡単なはずだ。ニューヨーク大学教授でバリュエーション(投資の価値計算や事業の経済性評価)の専門家であるアスウォッシュ・ダモダラン氏は、役に立つスプレッドシートを自身のウェブサイトMusing on Marketsに掲載していて、読者は様々な事態を想定し、それがS&P 500の公正価値にどのように影響するかを見ることができる。 

 ダモダラン教授自身の基準線となる想定は、ウイルスによって今年の企業収益が10%の下落するところから始まっている。これは過去に米国で起きた多くの景気後退の中で見られる数字と大体合致する。そして教授の想定では、今年下落した分の半分は、経済が正常に戻るにつれてその後数年で回復する。 

 この予測に基づくと、S&P 500は3月11日時点で2,889USDで取引されるはずだと教授は考えており、この数字は3月10日の市場が終わるころの2,880USDという値にかなり近い。 

 広い意味で、教授のスプレッドシートは今日の市場が騒がしいバーゲンという訳でもなく、不合理に値段が高い訳でもないことを示している。投資家達はどちらかの結果に大きく賭けるよりも、何もしないことで得られる利益についてじっくり考えたいと思うかもしれない。

以上

勉強になった英語フレーズ

①one way or the other: whatever method is used / which of two possibilities will be chosen: どうにかして・どちらでも・いずれにせよ 

②as it turns out: used for saying what the situation really is when something different might have happened: ~という結果になる 

③think twice: to consider something more carefully: よく考える 

④be in line with: similar to, or at the same level as something: 合致する 

感想

 コロナウイルスをめぐる騒動では、「人生何が起きるか分からない」と改めて思い知らされていますが、この記事では経済の面でそれほど悲観的になるべきではないと述べられています。たしかに長期的に見ればまた回復するだろうという見立ては理解できますが、いつ株価が底を打つのか?お金の巡りが悪くなったことで企業や国家にどこまで影響が出るのか?と心配は尽きません。

 長期投資家としては追加投資のチャンスにも思えますが、オリンピックの動向や北米・ヨーロッパ・中東の状況にまだ火種があるようにも感じるので、しばらく静観したいと思います。


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